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オルタネーター(Alternator)
オルタネーターの分解、ベアリング、ブラシ交換について、自分なりの方法を載せました。

伊マレリ製でアップしてます。英ルーカス製の手順は下のほう。
マレリ製にも数種類あって、ブラシやレギュレーターなどが異なる。


■マレリーオルタ (AA125Eタイプ)

車体から外したオルタを万力で固定し、レンチでナットを外す。
あまり強く締めるとベルトを掛けるプーリーが曲がるので程々にね。

ナットを外したら、組み立て時に間違えないようにパーツの向きや順番を
しっかり把握しておく。



フロントフレーム外周にあるボルト3本を外し、センターシャフトに
埋め込まれているロックツメを外すとフロントフレームが取れる。
この時必ず手前のフレームだけ外す。

フロントフレームとエンドフレームの間のステーターコアは
エンドフレームのレクティファイアのほうにくっついてますので、
無理にこじって引っ張ると破損の恐れありです。
プーラーなどの工具を使用して安全に外したいですな。
ベアリングはフロントフレームの内側に1つ、ローターのシャフトに1つ。

フレームのベアリングはすぐ取れますが、ローター側は
ペアリングプーラーという専用工具が必要です。

ベアリングは日本製の物でOK。
品番62036201、2つで1.280円。メーカーはNSK。

電装屋か、ベアリング屋で入手可能。


ベアリングの圧入は通常、油圧プレスなどで行うが、そんなツールは
持っていないのでBOXレンチのコマを当てて、プラスチックハンマーで
叩いて入れた。

ベアリングを直接ハンマーで叩くと壊す恐れがあり。
一気に叩かずに少しずつ均一に叩くのがコツ。

写真ではベアリングの外周に合わせたコマを使用してるが、
ホントはベアリング内側のリングに合わせたコマを使うのが
正解らしい。

マレリーオルタネーター(AA125Eタイプ)のブラシとレギュレーター


ブラシは2ピンコネクタとプラスネジを外せば取れる。

左側のシルバーの箱はレギュレーター。
これが不良になると、充電されなくなったり過充電になったりする。

右下に写ってるのは外した古いブラシとレギュレーター。


ブラシは図のようにプラスチックのフレームや接続端子と一体式。

FIAT500・126用のマレリーオルタの物が合うようです。


マレリーオルタネーター(AA125Rタイプ)

裏面を見比べるとスッキリとした感じ。
ブラシとレギュレーターが一体式になっとります。

この一体式は他車種マレリーやボッシュでも使われてるから
汎用性が高そうだなぁ。***** 調査中 *****




因みにこのレギュレーター品番は「RTT 119AC」と付いておりやす。

             

ルーカス

■LUCAS  品番A115-45

リア側の黒いカバーを外すと、複数のダイオード内臓のレクティファイヤ、
ブラシ&ホルダー、レギュレーター、スリップリングが見える。

右側・・・発生電圧を一定に制御するレギュレーター。
品番は、15TR って付いてるからこれでいいのか?

大阪の電装業者で在庫あって、部品だけ販売してくれるとこがありました。
\7.600 ←06年2月現在




左側・・・ブラシ部分。

ブラシ端子のネジを外すと写真のような状態でブラシが単品で外れてくる。
ブラシサイズが同じ位なら、国産品流用も可能。
以前、ブラシを電装屋に持っていって現物合わせで購入したこと有り。
品番とかのデーターは失念。

端子板に小さい穴開けて、リード線を通してハンダで固定した。
■プーリー・冷却ファンの取り外し

万力でプーリーを固定して22ミリのレンチでナットを緩める。

インパクトレンチやプーリーを固定する専用ツールを使用する方法も有り。
■フロントカバーの取り外し

リアフレーム側から留めてる8mmのボルト3本外して
フロントフレームをプーラーで外す。

この時、ステーターコア(中央の黒い部分)がフロントフレーム側に
固着してるまま引き抜くと、ステーターコアとレクティファイヤの
接続リード線部分を破損しかねないので、慎重に作業しまひょ。

写真では内側にプーラーの爪を掛けてるが、実はここの隙間が狭くて
最初は外周側にプーラーを掛けてちょっと引き抜いてから
内側に掛け替えた。

エンドフレーム側はシャフト部分をプラハンで叩くと取り出せる。

写真では撮影の為に万力の上になってるが、この状態で叩くと
ステーターコアを傷めるので、フレームを手で持って叩く。
ルーカスのベアリングはスリップリングを外す必要あり。
スリップリングにリード線を通してハンダ付けされてるから
まずはハンダを取り除く。
100Wクラスのハンダゴテじゃないと熔けなかった。

長時間コテをくっつけてるとスリップリングが加熱するから
出来るだけ短時間でハンダを取り除きましょっと!

完全にハンダを取り除くのは大変なので、
左写真のようにリード線を立ち上げて置いて、後はコテで熱を加えながら
大き目のマイナスドライバーで少しずつこじっていく手法もある。(下写真)

スリップリングは圧入されてるだけなので、
真っ直ぐ引っ張れば取れる。
ハンダが完全に取り除けたなら、プーラーを使用したほうが
スリップリングにキズなど付ける心配が無い。(左上写真)




1個目が取れたら、同じように2個目のハンダを取り除いて外す。


リード線って図のようにベアリングの内側を通ってるんですねぇ。

ここのリア側ベアリング品番は、6202DD (NSK)  \390 ←06年1月現在

ベアリングプーラーでベアリングを引き抜く。

ベアリングと水色の樹脂部との隙間が狭くて
プーラーの爪が入らなさそうだったけど、
樹脂がたわむからそのままプーラーの爪を差し込んでもOK。

写真はある程度引き抜いた状態。

新しいベアリングはラチェットのコマなどを利用して、
プラスチックハンマーで叩いて入れる。

組み付け時、ハンダの残りカスで穴が小さくなって
リード線が入れにくくなってるので、ドリルで広げておく。

ブラシとの接触部分はそんなに減ってなかったので
ペーパーで表面を磨いた。

段付き磨耗が激しい時は旋盤などで研磨修正する必要がありますな。


フロント側ベアリングは 6302DD (NSK) \490 ←06年1月現在

ここのベアリングは、抑え金具を外してハンマーで叩けば簡単に外せる。

ここからの作業は、ベアリング交換には必要無いが
今回はリアフレームの清掃・塗装する為に、
レクティファイヤとステーターコアを切り離す。

3箇所のリード線のハンダ付け部分を外すだけ。

この状態からレクティファイヤを固定してるネジを外すと、
エンドフレームだけになる。


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